「とりあえずジムに行く」「なんとなく食事して運動している」という方は多いかもしれません。しかし、食事とトレーニングの時間間隔を意識するだけで、同じ努力でも筋肉のつき方が変わります。
結論としてはトレーニング前後にしっかり食事を取らないとトレーニングの効果が下がるおそれがあります。この記事ではその理由などを書いていきます。
空腹でトレーニングするのはなぜ損なのか?
「お腹が減った状態でトレーニングしてもいいか?」と思ったことはありませんか。実は、空腹状態のトレーニングは、筋肉の分解が優位になり、せっかくの努力が無駄になりやすいのです。
空腹状態でレジスタンス運動(筋トレ)を行うと、筋タンパク質合成が抑制され、筋肉の修復・成長に必要な栄養環境が整わないことが指摘されています。空腹時は筋タンパクの分解が相対的に優位になりやすく、せっかくのトレーニングが十分な効果を発揮できない可能性があります。逆に食事を取ることで筋タンパク質合成が促される様になり、筋肉の成長につながります。
📄 引用元:Williamson, E., & Moore, D.R. (2021). “A Muscle-Centric Perspective on Intermittent Fasting: A Suboptimal Dietary Strategy for Supporting Muscle Protein Remodeling and Muscle Mass?” Frontiers in Nutrition, 8, 640621.
🔗 論文全文を読む(Frontiers in Nutrition)
痩せ型の方はもともと体脂肪が少なく、エネルギー源として筋肉が分解されやすいため、この影響をより強く受けやすいと考えられます。
食事からトレーニングまで、理想の時間間隔は?
では「食べてすぐトレーニング」はどうでしょうか。これも避けた方が賢明です。食後は消化のために胃腸に血液が集まります。その状態で激しい運動をすると、消化不良やパフォーマンスの低下の原因になります。
理想は、食事から2〜3時間程度空けてからトレーニングを行うことです。この時間があれば、ある程度消化が進み、食事由来のエネルギーが体内で使える状態になります。
自分自身は都合上食事から1.5時間ほどでトレーニングに行くことが多いのですが、それくらいの感覚でも成果としては出せています。
朝トレーニングしたい方へ:空腹を避ける工夫
「朝イチでジムに行きたいけど、食事の時間が取れない」という方も多いでしょう。そんな時は、消化が早く胃への負担が少ない食品を選ぶのがおすすめです。
- 餅(もち):糖質が素早くエネルギーになる。少量でもカロリーを確保しやすい
- バナナ:糖質と少量のカリウムを含み、消化しやすく携帯にも便利
- プロテイン(ホエイ):消化が速く、飲むだけで血中アミノ酸濃度を素早く高めてくれる
特にプロテインはトレーニング前に飲んでおくことで、血中アミノ酸濃度を高い状態に保てます。これにより、トレーニング中の筋分解を抑える助けになります。
どうしても食事が摂れないときの「トレーニング中の補給」
忙しい日や食欲のない日など、どうしても事前に食事が摂れないこともあります。そんな時は、トレーニング中に補給するという選択肢があります。
- EAA(必須アミノ酸):筋肉の材料となるアミノ酸を直接補給できます。水に溶かしてトレーニング中に飲むのが一般的です
- マルトデキストリン(粉飴):糖質を素早く補給できるサプリメント。吸収が速く、トレーニング中のエネルギー補給に向いています(※個人的にはまだ試したことがありません)
EAAとマルトデキストリンを組み合わせることで、アミノ酸と糖質の両方をカバーでき、空腹トレーニングによる筋分解を最小限に抑えることが期待できます。
私はEAAをトレーニング中に毎回飲んでいます。最近はAMBIQUEのEAAを使用しています。

トレーニング前と後、どちらの食事が大事?
「トレーニング後にしっかり食べればOK」という話を聞いたことがある方も多いかもしれません。しかし、研究の世界では、この点はまだ結論が出ていません。
スポーツ栄養の専門誌に掲載された研究では、トレーニング直前にプロテインを摂取した群と直後に摂取した群の比較で、筋力・筋肥大・体組成のすべての指標において、両者に有意な差は見られませんでした。
📄 引用元:Schoenfeld, B.J., et al. (2017). “Pre- versus post-exercise protein intake has similar effects on muscular adaptations.” PeerJ, 5, e2825.
🔗 論文全文を読む(PubMed Central)
つまり、「トレーニング前後どちらがより効果的か」は現状でははっきりしていないと言えそうです。現時点で確実に言えるのは、「どちらのタイミングでもしっかりタンパク質と糖質を摂ること」が大切だということです。
まとめ
空腹のままトレーニングすることだけは避けましょう。食事とトレーニングの間隔は2〜3時間が理想ですが、朝など食事の時間がない時のトレーニング時には餅・バナナ・プロテインなど消化の良いものを活用すれば問題ありません。どうしても食事が摂れない場合は、EAAやマルトデキストリンでトレーニング中に補給するという方法もあります。前後どちらの食事が効果的かはまだ研究段階ですが、トレーニング前後に栄養をしっかり確保することが、痩せ型の方が体を大きくするための基本です。


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